03.ブラインドスキー

(99.03.11)

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 ブラインドスキー。それは目の不自由な人のスキーのことをいいます。

 昨年、長野パラリンピックで見て知っている人も多いと思うます。

 目の不自由な人といっても、弱視の人、少しだけ光がある人、全く光がない人、いろいろな人がいます。

 また、中途障害の人、生まれつきの人、物心ついたときには目が不自由な人。

 中途障害で、スキーを知っている人は結構早く滑れるようになると思います。でも、物心ついたときから目の不自由で、弱視でなく目の見えない人は、やはりスキーの滑り方を覚えるのは大変なように感じます。

 止まっているものをさわったり、話を聞いて理解してもらうのは簡単ですが、動きのあるもの、その途中の動きを説明するのはちょっと大変なような気がします。 

 でも、だいたい98%は理解してもらえる。理解してくれます。でも、後の、1%か2%はどうしても私ではうまく伝えることができません。専門家なら別なんでしょうけど。

 話がそれてしまいましたが、目の不自由な人に、サポートが2人つくというのが理想的です。
 ひとりは前に鳴り物といって、笛やカーベルなど、音を出すものをもって滑る。
 もうひとりは、後ろについて、声で右、左と適切に声をかける。というやり方です。

 もし、ひとりしか居ない場合は、だいたい、前に付くことが普通のようです。ただ、人によっては後ろについて欲しいという人も居ます。

 ブラインドスキーのサポートをするときの条件として、前につく人は目の不自由な人よりうまいこと。
 というのは、どんな緩斜面でも、急斜面でも、斜面が変わっても、絶えず一定の距離で滑れるということが条件になります。
 そうでないと目の不自由な人はうまく滑ることができません。

 私はそんなに経験はないのですが、友達にパラリンピックの強化選手の人が居ます。私の実力ではとても前では滑れませんが、後ろを滑ったときは、こぶの滑り方がとてもうまくて、つい勉強になってしまいました。
 その彼がいうには、いつも一定の距離を保って滑ってくれる人が一番いいということでした。(彼は中途障害です)

 もう一人の友達は、まだボーゲンなので私でも前を滑ってサポートできるのですが、初めてサポートしたときに、失敗をして彼を雪の中につっこませてしまいました。
 それは、リフトの近くになって、ほぼ平らなところで、自分としては真っ直ぐと思って、「そのまま真っ直ぐ」と声をかけたのですが、実際は少し傾斜してたわけで、私の声を信じた彼は真っ直ぐいって、雪だまりにつっこんでしまったのです。
 私たちは見ているので、平衡感覚が真っ直ぐのように感じますが、彼らは、足・スキーの底で感じて滑っているのです。これには初めてのことでびっくりしました。

 チェアースキーと違って、スキーは私たちと全く同じです。 

 ただ、彼ら・彼女らは耳で、音を聞きその音を頼りに行動します。今、スノーボードが大流行ですが、あのスノーボードの雪を切る音はかなり耳障りのようです。側でスノーボードの人が滑っていると、思わず立ち止まってしまう人が居ます。

 また、長野パラリンピックの時も問題になりましたが、応援するときに、鳴り物で応援をすると、彼ら・彼女らは肝心のサポートの音を拾うことが困難になるとのことです。もし、いつか、ブラインドスキーの大会などを応援する機会があったときは鳴り物はやめてください。

 また来年も、3sunネットで、スキーツアーを組みます。
 ぜひ気楽にブラインドスキーのサポートをしてみませんか?また、別な世界が広がって楽しいですよ。