A 南アフリカ山岳会百周年記念パーティに出席して

(日本山岳会会報「山」558-1991-11.20掲載)


日本山岳会の要請を受け、山田会長の代理として、表記パーテイに出席して参りました。
ケープタウンのArthur's Seat Hotel にて9月28日(土)19時30分より記念パーテイが催され、ケープタウン市長、南ア環境庁局長他多数の来賓の出席のもと、約400人近い盛大なパーテイが行われました。
海外からは、英国、スコットランド、ドイツ、ニュージーランド、ジンバブエ、アメリカ、インド等の山岳会の代表が出席、極東からは日本山岳会のみでした。
英国からは、最近エベレストの無酸素登頂に成功したステファン・ベナブル氏が、特別ゲストとして参加しており、同じヴィニヤード・ホテルに宿泊されていたので、朝食をとりながら、又酒を飲みながら、親しく歓談する機会を得ました。長身、長顔の同氏は、加藤泰安先輩の若かりし頃の写真に、大変よく似ており、それだけに、より親しみを憶えました。
来賓及び各国代表が多い故、本来は各国代表の紹介のみで、スピーチは受けないとの事でしたが、山田会長からのメッセージ及び日本山岳会からの贈り物を預かっているので、是非にと南ア山岳会に御願い致し、各国代表の紹介後、日本山岳会のみが、スピーチを行う栄誉を受けました。
南極観測隊に対する南ア山岳会の友情に触れられた山田会長のメッセージは、出席者に感動を与え、且つ「名前は忘れたけれど、背の低い、丸い顔の日本山岳会のメンバーと、テーブル・マウンテンの岩を登った」と涙ぐみながら30数年前を思いだす年輩のメンバーも何人かおられました。
南ア山岳会のポール・ファッテイ(Paul Fatti)会長からは、日本山岳会からの贈り物”プラーグ”の紹介もあり、両山岳会の友情の再認識、及び今後の両国の交流にとって大きな意義のあるパーテイでした。
昨年までは、南アの人達は、観光ビザで日本を訪問することが、出来ませんでしたが、今年からは観光ビザによる日本訪問も全く自由になりましたので、今後、日本に訪れる南ア山岳会のメンバーもでてくることと思います。
また是非、日本山岳会のメンバーも南アにやって来て、南アの山をエンジョイして下さいとのことでした。
私が南アに駐在しております間は、出来る限り仲介の労をとり、両会及び両国の友好の為に、少しでもお役にたちたいと思いますので、遠慮なくお申し付け下さい(91.9.3記)