栗駒山・焼石岳

(00.07.05)

梅雨のまっただ中なのに、行いがいいせいか天気に恵まれた6/15〜18に東北の山に行って来ました。

栗駒山は田舎でずっと親しんできた山です。生まれ育った町からいつも見えていました。東京へ来てから山をはじめたので、栗駒自体に入ったのは数えるほどしかありません。夏の表掛けコース。5月の東栗駒コース。そして今回の須川からのコースです。
今回は、友達女三人で、車を運転しての山行きです。東京からなるべく明るいうちに日のあるうちにつきたいと思い車を飛ばしました。同行の一人は病気をしてから初めての山行き。今回は栗駒だけ一緒に登ることにしました。
夜の7時頃、ちょうど夕日が沈むころ須川温泉につきました。テントを張って、夕日を見ながら夕食を食べ、露天風呂へ。とても大きな露天風呂で、ゆっくり入ることが出来ました。露天風呂の上の岩がライトアップされており迫力がありました。入浴料は一人500円。
 16日朝6:30分出発。ゆっくりと花を見ながら、昭和湖コースの往復をすることにしました。
マイズルソウ、サラサドウダン、タニウツギ、イワカガミ、アカモノ、ミネカエデ、ミツバオウレン、ミネザクラ、ミネズオウ、タチヤマリンドウ、エトセトラエトセトラ。。。。。。もう花のオンパレードです。
今年は雪が多いせいか、見えるはずの池や沼が残雪で覆われていました。昭和湖の少し上からずっと雪渓で、当日は風も強く、頂上直下の尾根では吹き飛ばされそうになりながらピークを踏みました。でも天気も良くて、頂上は素晴らしく良い景色で、久しぶりにのんびりと歩くことが出来ました。

マイズルソウ タニウツギ
アカモノ 栗駒頂上にて(右から宮川、佃、前田)


お昼には須川をあとに夏油温泉に向けて出発です。
夏油温泉では国民宿舎に宿を取り、ゆっくりと露天風呂に入ったり、周辺を散策したりしながら、明日に向けて早めに床につきました。病み上がりの彼女は夏油温泉でゆっくりして、あとの二人はコースタイムで15時間の焼石岳まで往復を日帰りでしようと目論み、17日の朝3時半ヘッドランプをつけて出発です。荷物は極力軽く、林道歩き1時間。この日もうだるような暑さで、まるで、梅雨明けしたような天気です。ひたすら長い登り坂を、それでも、花の写真を撮りながら、休まず歩きます。でも、なんとブナのきれいなこと。太いブナがあちこちにあって、足元を見れば可憐な花々が咲き誇り、友達に花の名前を聞いては忘れ、また聞くと行った状態を繰り返しながら、歩きました。朝が早いせいか、雪渓がまだクラフトしていて堅く、アイゼンを持っていない私たちは、ストックと軽登山靴で何とかステップをきりながらいくつもの雪渓を越えて、やっと経塚山山頂へ。経塚山から焼石岳を見ると気の遠くなるくらい遠くに見えます。でも、ゆったりとした山並みに雪渓がきれいで、圧倒される風景です。まだまだここから遠いぞと言い聞かせながら、それでもこの花は何とかいいながらあるきました。シラネアオイ、イワカガミ、ハクサンチドリ、タムシバ、ミヤマキンバイ、ベンケイソウ、ユキワリコザクラ、カタクリ、ミズバショウ等々、数え切れない花々が出迎えてくれます。
登ってはおり登ってはおりの繰り返しで、やっと金明水避難小屋についた頃、友達が足の爪がはがれ係っているところが痛くて歩けないと言いだし、とにかくテーピングをし直し、頂上まで行こうと話し合いになりました。
少しは手当をして楽になったようで、また歩き出し、やっと昼前に東焼石岳直下まで来たとき、この山行で初めて人の姿を見ました。「ああ、人がいるよ」なんて話しながら登ってみると、な、なんと、お花畑が見える限り続いていて、人も一杯いるではないですか!!!
どうして???
実はほとんどの人は、中沼コースからの日帰りで登ってくるそうな。ほとんどの人は一番短いコースからそれもアップダウンが少ないコースから登ってその日のうちに帰るとか。私たちが登ってきた夏油温泉からのコースはあまり人が行かず、行っても下山ルートとして考えているとのことでした。なあるほど、あれだけアップダウンがあり、時間の掛かるコースは使わないわね。ほんと!!
コースタイムで、夏油から焼石山頂まで7時間ぐらいは掛かるもの。中沼コースなら往復でも6時間ぐらいだものねえ。
東焼石でやめようかといいつつも、焼石岳に登ってみようということになり、歩き出す。
もうそこら一面お花お花。。。。お花畑っていうのはこのようなところをいうんだろうなと思うくらいお花で埋め尽くされていました。写真にはうまく写らなかった!!
前にかいた花の他にミヤマタカバミ、ツバメオモト、ゴゼンタチバナ、キバナノコマノツメ、チングルマ、ヒメザクラにカモメラン、ツマトリソウ、。。。。あぁ、名前を覚えきれないくらい一杯の花が咲いてました。
頂上を踏んで、写真を撮って、行動食を食べて、長い帰り道です。
どうしようか。日帰りの予定できたけど、友達は歩けないというし、様子を見ながら下ることにする。なんだかんだいいながら、金明水避難小屋に着いたのは3時。これから5時間は歩けないという。足も痛いという。う〜ん。考えているうちにふと自分の靴を見ると、な、な、なんと靴の底が剥がれてきているではないですか!!ローバの靴は剥がれるって聞いていたけど、右はほぼ真ん中が剥がれていて、左も、その半分ぐらい剥がれてる。これではあの雪渓を越えて、これから5時間歩くというのは。。。。。。。
結局金明水避難小屋に泊まることにする。シュラフはないけど、行動食もあと少しだけど、でも小屋にはストーブがあり、水があり、マットもおいてあるコーヒーもあるぞ。山の麓にある胆沢山岳会の人たちが整備をしているとノートに書いてある。ノートにコーヒーをもらいますと書いてちょうだいすることにする。
経は何人来るか分からないけど、屋根はあるし、寒くないし、明日は5時間歩けば夏油につくしと言うことで、ゆっくり楽しもうと話し合い、ストーブに薪を入れて火をおこし、お湯を沸かしてコーヒーを頂いた。本当にありがとう!!
そうこうしているうちに仙台から来たという女性七人パーティが来た。入ってきた早々、「何でストーブなんかたいてるの消してよ、暑いんだから」といわれ、事情を話すと、「シュラフも持ってこないなんて常識がないんじゃないか」などと言われ、なんか感じ悪い。ここは避難小屋だぞ!!とおもう。
そのうちに、東京から来たという男女四人組が良く整備された避難小屋だねえ。と言い、靴が壊れたことやシュラフがないことなど事情を話すと、じゃあと言いながら、夕食をごちそうしてくれて、おまけにデザートにメロンもごちそうになり、自分たちの間で寝たほうがいいといってくれた。夕食をご馳走になったので、後かたづけぐらいはと思い食器など洗ったりしているうちに、雨も降ってきて、人も増えてきた。四人組はお互い様だからと行って、寝る場所を詰めたりして、場所を空けたりしていたけど、7人組は宴会を始めて、場所も詰めようとせず、送れてきた人に、土間で寝たらなどと言っている。う〜ん。
靴が靴なので、雪渓が凍っているとキックステップもできないし、とにかく朝はゆっくり出発しようと話がまとまり、12時間も行動したことだ師早めに寝ることにする。
18日は、早立ちする人がいたので、4時には目が覚めてしまい、昨日ごちそうになったので、食事の用意ぐらいはしなくちゃと、火をおこし準備を始める。朝もしっかりご馳走になってしまった。食事が終わって、出る前に借りたものは返し、小屋の掃除をし、ゆっくりと、一番あとに出発することにして、写真を撮ったりして、靴をテーピングで巻き、これ以上壊れないことを祈って出発は6時。思ったより気温も高く、天気もさわやかで、快調に歩く。途中で、先に出発した人たちを追い抜きながら順調に進む。雪渓も思ったより溶けていて歩きやすかった。よかった。
夏油に着いたのは10時半。そこで友達ので迎えを受け、とにかくビールでカンパイをして、お風呂に入って汗を流した。靴も何とかもってくれて、全部底が剥がれなくて良かった!!
しかしローバの靴は剥がれるって聞いていたけど、ほんとだった!!
青葉と花の夏油を午後1時半に出発。車で、古川の駅まで友達を送り、私は久々の実家によって、翌19日に一人で車を運転して東京に戻ったのでした。

シラネアオイのつぼみ シラネアオイ タムシバ
ツバメオモト ユキワリコザクラ コミヤマタカバミ


今回はとても楽しく山行が出来て良かった。靴のトラブルはあったけど、花の名前も幾つか覚えることが出来たし、ブナ林も美しかった。頂上直下のお花畑に感動し、友達のありがたさも知って幸せな気分になった山行でした。
ただ、ずっとこんなに長く運転したのは、北海道に行った4年前ぐらいぶりだったので、もう首や背中が痛くて、帰ってきた次の日は首が回らないほどで、サロンパスを貼ったら、かぶれたし、、、、痛し痒しの山行でした。