46. 北岳四尾根バットレス

(2011.07.19)

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日程:2011.7.16〜17
場所:北岳四尾根バットレス
メンバー:k木、n宮、σ(^_^)

広河原からの北岳 
 
二股付近、人がいっぱい

バットレス沢 

バットレス沢bガリー大滝手前
 
この雪渓が崩れた

4尾根取付。夕方 。ここでビバーク
 
取付から見た日の出

いざ出発 

k木氏。1p目

n宮氏2p目
 

マッチ箱のコル 懸垂下降点
 
下降終了点

懸垂下降後のピッチ
 
枯れ木のテラス手前

枯れ木のテラスから崩壊した跡を撮る
見えるフレーク状を左にトラバース 
 
枯れ木のテラスからのトラバース
 
Dガリー城塞ハングの右側チムニー

北岳頂上   
コースタイム:
7/15 8:20自宅を車で出発。 
      9:20にk木さん宅。11:00にn宮さん宅。
7/16 1:30芦安駐車場着。 仮眠。
      5:00起床、6:40タクシーで芦安駐車場出発。
      7:20広河原着。
      7:20広河原出発 − 8:00休憩8:10 − 8:50休憩9:00 − 9:35二俣9:45 − 
      10:20バットレス沢出会10:30 − 17:00四尾根取付のテラス  泊
7/17 4:20日の出、5:30時起床
      7:20出発 −10:10第2のコル − 11:50終了点12:15 −12:50北岳頂上12:55 − 13:05肩の小屋13:20 − 
      14:20小池小屋14:40 − 15:30第2のベンチ15:40 − 16:25広河原
      16:40タクシー、17:20芦安駐車場。 途中お風呂と食事。23:00n宮さん宅。24:00k木さん宅。
7/18  0:40自宅着      

私たち三人は登攀用具からビバーク用具などすべてを背負って北岳バットレスを超え、できれば頂上ビバーク。あるいは御池小屋で泊まれればと考えていた。ザックはそれぞれ約20kg以上はあると思われた。
バットレスは昨年10月に枯れ木のテラスのところが崩壊しているので、登攀は自粛するようにとの県警からの通達があった。御池小屋に問い合わせて確認したら、昨年に何パーティか登攀しているとのこと。ハーケンが打ち足してあると言うことアブミも必要だとのことだった。ただ今年はまだ登っていないようだ。
核心部はこの崩壊したところをどう登るかと言うことで、ハーケン、アブミ、ボルト、ジャンピングも持って行くことにした。水は何処でビバークになるかわからないので、3人で3L。ほかに自分で飲む水を用意。テントは持って行かず、3人用のツェルトを用意。なにせ3人ともOBなので何処まで行けるか。
k木さんは今回3度目の挑戦。2回とも天気が悪かったりで広河原までは入れなかったとか。n宮さんは四尾根は40年前、下部フランケから四尾根上部、8年前、Dガリーから上部フランケを登っている。私は10年前に一度登っている。

7/15(金)

夜に私の車で8:20出発。k木さん宅に着く前に地震があったとか、私は運転していて気づかなかった。震度4。それでk木さんがもしかしたら会社に行かなくてはということになり、k木さん宅でしばし待機。なんとか連絡してk木さんが会社に行かなくてよいことになり10:00に出発。n宮さん宅により高速に乗って一路芦安駐車場へ。

7/16(土)晴れ
13:30頃に芦安駐車場に着いたが、3連休のためか駐車場がもうすでにいっぱい。なんとか1台泊まるところを見つけ駐車。車の後のスペースを利用してテントを張り仮眠。3時頃トイレに起きたら、すでに5:15発のバスに並んでいる人々がいた。タクシーにも人が並んでいる。。。すごい人のようだ。5時に起床。6時出発と思ったが、タクシー待ち。6:40にやっとタクシーに乗れた。
広河原に7:20に着いたのでそのまま歩き出すが、もう、すごい人出。後も前も人、人、人。
それにとても天気がよく、暑い(後で東京で37度もあったとのこと)。なんか暑さで最初からバテ気味。二俣まで2時間かかってしまった。雪渓の水を飲んで、ペットボトルにも水を足して出発。バットレス沢出会いで、休憩して、ここでやっと一般道とお別れ。人の波ともお別れ。ほっとする。

10:30にバットレス沢を詰めていく。岩がとても熱い。のどが渇き、バテバテ。沢を詰めて行くと雪渓があり、思ったより雪渓が堅い。アイゼンは車に置いてきたので、ピッケルで足場を切ってトラバース。結構雪渓が立っているので雪渓の左側のきわを登ることにする。
雪渓の左を詰めて行くとBガリー大滝のルートである顕著なクラックが雪渓の右に見えた。。わずか10m右であるが急な雪渓が邪魔でクラックには取り付けないので、雪渓の横を通って上部に行き、そこからトラバースしてルートに入ることにする。ここでロープを出してトップはk木さん。雪渓の下左で私がビレーを取る。
n宮さん、私がラストで登っていったが、私が登り始めて5分も過ぎない頃、雪渓がドーンといって崩れた。さっき私が立っていたところに雪の塊ブロックが落ちていた。思わず大声を上げていた。もう少し遅かったら、私はあのブロックの下敷きになっていた。運が良いと言うことか????。
ビレーとは言え気温が上がっている状況で雪渓の下にとどまることは危険だ。大反省。
2ピッチで踏み跡へ。ここからトラバース。しかし、Cガリーを超えるところが悪い。沢の中に踏み跡が無く、対岸の下の方に踏み跡が見えたのでそちらに下降しながら超える。踏み跡をたどったら、Dガリーのかぶっているところだった。ここじゃないと言うことでもう一度Cガリーに戻る。この時点ですでに4時頃。
今日はとりあえず、取付まで行こう。取付は広いテラスになっているのでそこでビバークすることにする。

Cガリーに戻ると、沢の左に踏み跡があり、たどっていったら、「4」というマーク有り。しかし細かい浮き石がありかなり悪い。ちょっとのことで落石を引き起こす。慎重にあんまり離れないで3人で詰めて行く。上から自然落石が起こる。どきっとしながら沢を詰める。上部で1ピッチザイルを出し、取付へ。夕方5時に四尾根取付。
もう、時間も遅く、3人ともバテバテで、今日ここから日のある内には抜けれないと言うことでビバーク体制に入る。

途中少しガスってきたりしたが、雨はなさそうだ、ツェルトをハーケンに固定して、トイレに行くとき何かあるといけないのでロープも張る。夕食の支度をして、ちょっとだけウイスキーを飲んで夕食を食べ6時半には就寝。

7/17(日)晴れ 夕方通り雨

夜中に少し霧雨が降ったが、天気がよく、12時頃3人とも目を覚まし、星空を眺める。月も満月でとても明るい。
4時にまたまたみんなで目を覚まし、朝焼けを見る。とてもきれいな朝焼け。鳳凰の方から日の出が上がる。何ともいえない景色だ。少し早いのでもう一眠り。

5:30起床して食事を取り、昨日の夜よりは少し多めに水分を取る。後一人500mlも水が残っていない。
7:20k木さんがトップで登り始める。荷が重い。トップの荷物を後続が持とうかと言ったが大丈夫とのこと。
3人とも荷が重いので空身だったらすたすた行けるところをかなりヨッコラショって感じ。
k木さん。かなりバテている。3p目でk木さんから少し荷物を取る。
マッチ箱のコルから懸垂で10m。ここから枯れ木のテラスが見える。枯れ木の左横の岩が少し剥がれている。枯れ木のテラスは残っていた。といっても、すでにテラスとはいえないけど、2人が岩で私が枯れ木の上に立ってもういっぱいな感じ。3人限度のビレーポイントになった。

何処が崩壊したんだろうと思ったら、枯れ木のテラスのCガリー側がすっぽり無くなっている。なんか大迫力だった。カメラに入りきれない感じで、何枚か撮る。

ここから核心部。k木さんはバテバテなのでn宮さんが次ぎトップを行くことにする。Dガリー側にフレークになっているところをトラバース。ハーケンが2本あり。
Dガリーの奥壁凹角の下でピッチを切る。この凹角はDガリー奥壁、城壁ハングの2本のルートのうち右よりの広めのチムニーだ。
ここまではトップが荷を背負ってきたけど、ここは荷を下ろし、後で荷だけ引き上げることにする。ここもn宮さんがトップ。私がビレー。逆層で慎重にアブミを出して超える。次に私が登る。荷を引き上げて、最後にk木さん。後はハイマツの際を歩いて終了点へ。
11:50着。
天気がよくて暑い。岩は優に50度はあろうかと言うぐらい熱い。OBがこの熱い中、荷を背負ってバテバテで登攀して4時間30分と言うことはまあまあかなと3人で話し合う。
4尾根では私たちのパーティだけだったから、バテバテでゆっくり登っても迷惑がかからなったからよかった。
ここで登攀具をしまい、腹ごしらえをして一般道へ。一般道に出たらまた人。人。

水もほとんど無いので、頂上では写真を撮るだけで、急ぎ肩の小屋へ。肩の小屋で水とサイダーを買いみんなで分け合って飲んだ。おいしかった。
今日の内にk木さんは帰らなくてはいけないので、ゆっくりしていられない。
もう少し休んでいたかったが少し休んだだけで下山開始。

御池小屋20分くらい手前から雨が降り出す。合羽を着ようかと思ったけど、どうせ汗で濡れているし、雨が気持ちよくて濡れながら降りる。
御池小屋についてみんなで生ビール2杯を分け合ってのみ乾杯する。小屋に情報提供にお礼を言って、登ってきたことを報告。取付でビバークしたときCガリーの方で何回も自然落石があったといったら、「あそこではビバークしないように石が飛んできて怪我することもある」と注意されてしまった。(;^_^A アセアセ・・・
すみませんと謝って早々に下山。

16:25広河原着。今日は11時間行動だと言いつつ、タクシーで芦安へ。

ここの広河原から最終バスは17:00だそうで、タクシーも同じ17:00が最終だそうだ。
なんとかタクシーに乗れてよかった。

芦安の駐車場じゃなくて途中にある温泉に入って食事をして高速へ。家に何時に着くかと思っていたらラジオで中央道事故渋滞35kmとのこと。2人を自宅に送り届けて家に着いたのは日が変わって1時頃だった。

このルートは取り付くまでが悪い。雪渓があって、あの雪渓がなかったらもう少しよかったのか? 
とにかくCガリーは悪すぎる。
荷物も重く、荷を背負っての登攀は結構きつかった。
天気に恵まれすぎて暑くて体力を消耗したし、やっぱり、御池小屋に荷物を置いて空身に近い形で行くべきだったかもしれない。
昔は平気だったと言っても平均年齢58才の私たちは、もう少し体力をつけ直さないと行けないと痛感した。


カラマツソウ

ハクサンイチゲ 
 
ベンケイソウ
 
ハイマツ
 
 
クロユリ
 
ツマトリソウ

ナナカマド

チングルマ